整体院・整骨院の広告運用代行|任せられる作業と、院に残る責任の範囲

整体院の女性院長と広告運用担当者が、院内で広告案と確認資料を見ながら打ち合わせている様子

広告運用代行は、リスティング広告などの設定、入札の調整、レポートの作成を、外部の会社に任せるサービスです。整体院・整骨院では、作業を任せても、広告の内容に対する院の責任は残ります。

あはき・柔整広告ガイドラインは、広告代理店も広告規制の対象としています。一方、景品表示法では、表示の内容の決定を任せた事業者も規制の対象に含まれます。「代理店が作った広告だから」という説明で、院の責任がなくなるとは言えません。

見直す順番は、責任の分かれ方、広告文とリンク先の確認、契約で決めること、報告で見る数字の4つです。

目次

整体院・整骨院の広告運用代行は、作業を任せても、広告の内容に対する院の責任は残る

整体院・整骨院の広告運用代行とは、広告アカウントの設定、キーワードや入札の調整、広告文の作成、成果のレポートといった運用の作業を、外部の会社に任せることです。

任せるのは運用の作業で、広告に載せる内容と成果の判定は院に残る

項目運用代行に任せやすいこと院に残ること
設定・調整アカウントの設定、配信する地域と時間、入札の調整来院できる範囲と、予算の上限を決める
広告文・リンク先広告文の案の作成、リンク先ページの提案広告に書いてよい内容かの最終確認
報告表示回数・クリック数・費用のレポート新患につながったかの判定(問診票・予約の記録)

表の右の列は、院にしかできません。たとえば、来院した患者がどの経路で知ったかは、広告の管理画面には出ません。

リスティング広告は、ガイドライン上の広告に当たり、リンク先まで規制が及ぶ

リスティング広告はガイドライン上の広告に当たり、リンク先のホームページまで規制が及びます。この点は、整体院・整骨院のWeb広告|リスティングでホームページも規制対象にで扱っています。運用代行に頼んでも、前提は変わりません。

広告の責任は、ガイドラインでは代理店と院の両方に、景品表示法では内容を決めた院に及ぶ

あはき・柔整広告ガイドラインと景品表示法で、広告代理店と広告を依頼した院が規制の対象になるかを比べた表
どちらの面でも、広告の内容の最終確認は院に残ります
根拠広告代理店広告を依頼した院
あはき・柔整広告ガイドライン(令和7年2月18日)広告規制の対象。違反があれば、広告依頼者とともに指導の対象となり得る施術者・施術所も対象
景品表示法(消費者庁のQ&A)自ら供給する商品・サービスの広告でない限り、表示規制の対象とはならない。ただし十分な注意を求められている表示の内容の決定に関与した事業者が対象。決定を他の者にゆだねた場合も含む

ガイドラインは、施術所だけでなく広告代理店も規制の対象にしている

あはき師法と柔整師法は、「何人も」広告をしてはならないと定めています。そのためガイドラインは、施術者や施術所だけでなく、マスコミ、広告代理店、インフルエンサー、アフィリエイターも広告規制の対象になるとしています。広告を企画・制作する広告代理店が、依頼者の責任の下で作った広告に違反があった場合は、広告依頼者とともに指導の対象となり得るとされています。

違反が改まらない場合の告発についても、ガイドラインは、施術所の場合は開設者、広告代理店の場合はその代表者を対象とすると示しています。罰則は30万円以下の罰金とされています。

景品表示法は、広告の内容の決定を任せた院も規制の対象にする

消費者庁のQ&Aによると、景品表示法で規制の対象になるのは、不当な表示の内容の決定に関与した事業者です。自ら決めた場合だけでなく、他の者の説明に基づいて内容を定めた場合や、他の者に決定をゆだねた場合も含まれます。決定に関与した者に故意や過失があることは、要件とされていません。

同じQ&Aは、広告代理店について、その商品・サービスを供給している者でない限り、表示規制の対象とはならないとしています。ただし、広告を企画立案する役割を踏まえて、不当な表示がされないよう十分な注意を払うよう求めています。

代理店が規制の対象でも、院が指導を受けないとは限らない

ガイドラインでは代理店と院の両方が対象になり、景品表示法では内容の決定を任せた院が対象になります。どちらの面でも、代理店がいるから院の責任が軽くなるとは書かれていません。広告に書いてよい内容かどうかの最終確認は、広告を依頼する院の側に残ります。

個別の表現が広告に書ける事項に当たるか判断が分かれる場合は、所轄の保健所にご確認ください。

出典:あはき・柔整広告ガイドライン(厚生労働省・令和7年2月18日)Ⅱ-4、Ⅴ-5/表示に関するQ&A(消費者庁)Q2・Q3

広告文とリンク先を院が公開前に確認する流れは、契約の前に決めておく

広告文は、院が承認してから配信する手順にする

運用代行では、広告文の追加や差し替えが日常的に行われます。院の承認なしに配信が始まったり、文面が変わったりしない取り決めを、先に作ります。決めておくのは、承認する担当者、確認に使う期間、変更した広告文の履歴の共有の3つです。

リンク先の症状別ページや料金ページも、確認の対象に含める

広告を出すと、リンク先のホームページも広告と一体のものとして扱われることは、先ほどのWeb広告の記事で触れたとおりです。運用代行の会社が「広告に合わせてリンク先を変えましょう」と提案してきたときも、変更後のページの内容は院が確認します。ページごとの確認項目は、整体院・整骨院のホームページで確認したい7項目|広告規制と情報掲載の注意点にまとめています。

広告文やリンク先を自動で変える設定は、有効かどうかを聞く

広告文やリンク先を自動で調整する設定が入っていると、院が見ていない文面が配信されるおそれがあります。この設定を使うのか、使う場合は院の承認を通る形になっているのかを、契約前に聞きます。この設定が広告できる事項の外に出るおそれは、整体院・整骨院のAI検索広告|日本で出せる場所と、リンク先まで及ぶ規制にあります。

広告運用代行の契約で決めるのは、広告アカウントの管理権限・手数料の形・解約後の扱い

広告運用代行の契約の前に決める、広告アカウントの管理者権限、手数料の形、解約後の扱いの3項目を並べた図
管理者権限と手数料の書き方は、契約書と見積書で確かめます

広告アカウントの管理者権限は、院にも残す

Google広告のヘルプによると、アカウントへのアクセス権は、管理画面の「アクセスとセキュリティ」から付与、編集、削除できます。毎月の請求書発行の設定や利用限度額の申請を行うには、ユーザーが「管理者」権限を持っている必要があります。アカウントに管理者が1人しかいない場合、そのユーザーが対応できなくなるとタグにアクセスできなくなるおそれがあるため、管理者を少なくとも1人追加するよう案内されています。

運用代行の会社だけが管理者になっていると、解約のときに院が設定や配信の履歴を確認できなくなるおそれがあります。契約前に、広告アカウントを院の名義で作るか、少なくとも院が管理者権限を持てるかを聞きます。

出典:Google 広告アカウントへのアクセス権を管理する(Google 広告ヘルプ)

手数料は、広告費に対する割合か、月額の固定か、成果に応じた報酬かを確かめる

運用代行の費用は、広告媒体に払う広告費、運用代行への手数料、初期費用に分かれます。手数料の形には、広告費に対する割合、月額の固定、成果に応じた報酬があります。見積書で、広告費と手数料が別の行になっているかを見ます。

金額は、院の広告費の規模や配信する地域で変わります。月の広告費をいくらにするかは、整体院・整骨院の集客予算|新患1人に出せる上限から、月の総額を決める手順で扱っています。

最低契約期間・解約条件・解約後の扱いを、書面で確かめる

契約前に確認するのは、最低契約期間、途中解約の条件、解約後に広告アカウントと配信のデータがどうなるかの3つです。口頭の説明だけで済ませず、契約書や見積書に書かれているかを見ます。

報告で見るのは、クリック数ではなく、広告経由の新患1人あたりの費用

運用代行のレポートは、表示回数、クリック数、費用といった広告の管理画面の数字が中心です。来院につながったかどうかは、院の問診票や予約の記録でしか分かりません。月に1回、広告に使った費用を、来院経路を「広告」と答えた新患の数で割って、新患1人あたりの費用を出します。

広告の管理画面で見える表示回数・クリック数・広告費と、院の記録で分かる来院経路・予約の件数・新患の人数を比べた表
来院につながったかは、院の記録でしか分かりません

来院経路を問診票で取る方法と、チャネル別に費用を比べる手順は、整体院・整骨院の集客の費用対効果|AI検索で変わる予算の配分先にあります。出せる上限の決め方は、先ほどの集客予算の記事にあります。

「必ず増える」「上位を保証する」とうたう広告運用代行は、根拠と責任の範囲を聞く

広告の成果は、院の立地、競合、料金、ホームページの内容でも変わります。成果を保証する提案を受けたときは、次の3つを確かめます。

  • どの数字を、どの期間で、何と比べて保証するのか(保証できない場合の返金や契約の扱いを含む)
  • 広告文とリンク先を、あはき・柔整広告ガイドラインに照らして確認する担当者と手順があるか
  • 広告アカウントの管理者権限と、解約後のデータの扱いが、契約書に書かれているか

広告の設定や報告の確認を、院長が自分で続けるか運用代行に任せるかは、院長の作業時間と広告費の規模で決めます。依頼先をどう比べるかは、整体院・整骨院のホームページ相談・外注先の選び方|コンサルに頼む前に確認すべきことで扱っています。

FAQ

よくある質問

整体院・整骨院の広告運用代行について、よくいただく質問にお答えします。

広告運用代行に頼めば、広告が規制に合っているかは代理店が確認してくれますか?

確認を頼むことはできますが、最終的な確認は院に残ります。代理店も規制の対象になる一方で、違反があった場合は、依頼した院も指導の対象になり得ます。広告文とリンク先を院が公開前に確認する手順を、契約の前に決めておきます。

整体院・整骨院の広告運用代行の費用は、いくらが目安ですか?

金額の目安は、広告費の規模や配信する地域で変わるため、一律には示せません。見積もりは、広告媒体に払う広告費、運用代行への手数料、初期費用に分けて取り、手数料が広告費への割合か、月額の固定か、成果に応じた報酬かを確かめます。

運用代行を解約すると、広告アカウントはどうなりますか?

契約の内容によって変わります。Google広告では、アカウントへのアクセス権を、管理画面から付与したり削除したりできます。運用代行の会社だけが管理者の場合、解約後に院が設定や配信の履歴を確認できなくなるおそれがあります。契約前に、院が管理者権限を持てるかと、解約後のデータの扱いを書面で確かめます。

広告費が少なくても、運用代行に頼めますか?

会社によって、最低出稿額や最低手数料を設けている場合があります。月の広告費が小さいときは、最低の費用を含めた総額で見積もりを比べます。月の広告費の決め方は、新患1人に出せる上限から考えます。

広告の運用は、代行に任せるのと自分で行うのとで、どちらがよいですか?

一律には決められません。院長が設定や数字の確認に使える時間、広告費の規模、広告文とリンク先を広告ガイドラインに照らして確認できる体制で分かれます。どちらを選んでも、広告の内容の最終確認は院に残ります。

広告運用代行は、作業を任せても、広告の内容の最終確認は院に残る

広告運用代行に任せられるのは、設定、入札の調整、広告文の案の作成、レポートといった運用の作業です。あはき・柔整広告ガイドラインは広告代理店も規制の対象としていますが、違反があれば広告依頼者である院とともに指導の対象となり得るとされています。景品表示法でも、広告の内容の決定を任せた事業者は規制の対象に含まれます。

契約の前に決めておくのは、広告文とリンク先を院が公開前に確認する手順、広告アカウントの管理者権限、手数料の形と解約後の扱いの3つです。報告は、クリック数ではなく、問診票で取った来院経路から、広告経由の新患1人あたりの費用を出して見ます。

最初にやるのは、いま使っている、または検討している運用代行の契約書と見積書で、広告アカウントの管理者が誰になっているかを確かめることです。

整体院・整骨院の広告運用代行でお悩みなら
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運用代行を頼む前の確認事項から、広告文とリンク先が広告ガイドラインに沿っているかの確認まで、中小企業診断士が貴院の状況や目標を伺い、何から手をつけるべきかをはっきりさせます。

「いまの運用代行の契約内容が妥当か確かめたい」「これから頼む会社を比べたい」という段階でも大丈夫です。ご相談内容に応じて、見直す箇所と進め方を分かりやすくご案内します。
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ご相談内容を確認後、担当者よりご連絡します。

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