整体院・整骨院のホームページで確認したい7項目|広告規制と情報掲載の注意点

「治る」と書かなければ問題ない、通常のホームページなら自由に書ける、とは言い切れません。厚生労働省の「あはき・柔整広告ガイドライン」では、利用者が自ら検索して閲覧する通常のウェブサイトを、あはき師法・柔道整復師法上の広告とは原則として見なしていません。一方で、正確な情報提供のために掲載すべき事項と、掲載すべきでない事項を示しています。
バナー広告、リスティング広告、スポンサー表示、SNS投稿などは、内容や公開状況によって広告として扱われる場合があります。通常のホームページにも景品表示法などが関係することがあるため、表示内容だけでなく、流入経路や施術主体も確認が必要です。
2025年2月18日公表の同ガイドラインをもとに、公開前や改修時に確認したい内容を7項目に分けて解説します。なおこの記事は一般的な確認ポイントを整理したもので、個別の表示が適法かどうかを判断・保証するものではありません。
整体院・整骨院のホームページで確認したい7項目
表現を一語だけ置き換えるのではなく、患者がページ全体から受ける印象を確認することが大切です。
| 項目 | 確認する内容 | 見直しの方向 |
|---|---|---|
| 媒体と流入経路 | 通常サイトか、広告・SNS・有料掲載からつながるページか | 広告文と遷移先を一体で確認する |
| 効果・安全性の表現 | 「絶対に治る」「必ず改善」など、結果を保証する印象がないか | 施術内容、対象、条件を事実に沿って説明する |
| No.1・比較表現 | 「地域No.1」「口コミ1位」「唯一」などで優良性を示していないか | 比較ではなく、院が実際に提供する情報を具体化する |
| 写真・口コミ・体験談 | 加工した施術前後写真や、都合のよい声だけを強調していないか | 撮影・掲載条件と選定方法を点検し、効果保証に見せない |
| 自費施術・料金 | 内容、通常必要な費用、回数券の契約内容、主なリスク等が分かるか | 長所と同じ導線上で、判断に必要な情報を読みやすく示す |
| 業態・資格・施術主体 | 整骨院・接骨院と整体院を混同していないか | ページごとに施術者、資格、施術区分を明確にする |
| 予約導線・SNS・広告 | 「今すぐ」「残りわずか」「初回〇円」などを過度に強調していないか | 急がせる表現を抑え、適用条件や通常料金を近くに示す |
厚生労働省が整骨院・接骨院等(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所)のウェブサイト等で掲載を禁止している内容としては、事実と異なる表現や根拠のない内容、他院との比較で自院を優れているように見せる表現、大げさな表現、都合のよい体験談だけを恣意的に取り上げて強調することなどが挙げられます。
来院を過度に急がせたり費用を強調しすぎたりする表現にも注意が必要です。
整体院・整骨院のホームページは広告規制の対象になる?
通常のウェブサイトは原則として広告と見なされない
厚生労働省のガイドラインでは、法律上の広告に当たるかを次の3つをすべて満たすかで判断しています。
①利用者を施術所等へ誘引する意図がある「誘引性」
②施術者や施術所を特定できる「特定性」
③一般人が認知できる状態にある「認知性」
利用者がURLを入力したり、検索サイトで自ら検索したりして閲覧する通常のウェブサイトは、認知性を満たさないため、あはき師法・柔道整復師法上の広告には原則として該当しないと整理されています。
ただし、広告に該当しないからといって、何を書いてもよいわけではありません。サイトにも正確な情報が求められ、景品表示法などの対象になる場合があります。
広告・SNSとつながるページは流入経路まで確認する
バナー広告、検索結果のスポンサー表示、検索事業者等に費用を支払って意図的に上位表示させるもの、リスティング広告、動画広告などは、3要件をすべて満たす場合に広告として扱われます。広告とリンク先のウェブサイトが一体になっており、遷移先も3要件を満たす場合は、そのページも広告として扱われます。
SNSも、3要件をすべて満たす投稿は広告として扱われます。投稿本文、画像、プロフィール、リンク先を1つの導線として確認します。
あはき・柔整広告ガイドラインで確認したい掲載事項
「あはき・柔整広告ガイドライン」は、厚生労働省が2025年2月18日に公表した指針の略称です(正式名称は「あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針」)。柔道整復師などの広告に加え、ウェブサイトで適切に情報を掲載するための基準も示しています。
なお、ウェブサイトの掲載事項については、法律上の広告規制としてではなく、関係団体等による自主的な取組を促すものとして整理されています(景品表示法など他の法令は別途適用されます)。
出典:あはき・柔整広告ガイドライン
令和7年2月18日・厚生労働省
自費施術は内容・費用・契約条件・主なリスク等を示す
ガイドラインは、自費施術を行う施術所等について、利用者が容易に照会できる問い合わせ先、自費施術の内容と通常必要な費用、主なリスクや副作用等を掲載すべき事項として示しています。
回数券やプリペイドカード等を販売する場合は、その内容や契約内容を利用者が正確に理解した上で購入できるよう表示することも求められます。標準的な費用が明確でない場合は、最低金額から最高金額までの範囲を載せるなど、できる限り分かりやすい表示が望まれます。
注意書きを別ページの奥に置いたり、長所より極端に小さく表示したりするのは避けます。回数券やプリペイドカード等を扱う場合は、追加費用や解約・返金条件なども、契約前に利用者が確認できる形でまとめておくことが望まれます。
景品表示法など他の法令にも注意する
サービスを実際より著しく優良に見せる表示や、事実に反して競合より著しく優れているように見せる表示は、優良誤認となるおそれがあります。効果や性能を示す表示については、消費者庁から合理的な根拠資料の提出を求められる場合もあります。
価格や取引条件を実際より著しく有利に見せる表示は、有利誤認に該当する可能性があります。通常価格、期間、対象者、追加費用を公開前に確認しておきましょう。
整体院・整骨院のホームページのNG表現や掲載例
「絶対に治る」「必ず改善する」などの効果保証
ガイドラインは、「絶対安全な施術」「絶対に治る施術」を虚偽の例として示しています。「治癒率〇%」「たった1回で効果を実感」など、客観的事実として証明できない数値や、結果を保証する印象を与える表現も掲載すべきでない例に含まれます。
別の言葉に置き換えるだけで問題がなくなるわけではありません。施術主体、対象、条件、根拠を整理したうえで、表示全体を見直します。
「地域No.1」「口コミ1位」などの比較優良表現
「日本一」「No.1」「最高」など、他院と比較して自院の優良性を示す表現は、仮に事実であっても、利用者を誤認させ不当に誘引するおそれがあるため、ウェブサイト等に掲載すべきでないとされています。「口コミサイトで1位」「全国優良〇〇院」「著名人も来院」といった例も挙げられています。
比較表現に頼らず、「柔道整復師が担当」「平日は20時まで受付」など、来院を判断する材料になる事実を伝えます。
施術前後写真と体験談・口コミの見せ方
整骨院広告のビフォーアフターについて、ガイドラインは、効果があるように見せるため加工・修正した施術前後写真を虚偽の内容として取り扱うべきとしています。撮影条件や被写体の状態を変えて効果・有効性を強調する写真も、誇大な内容として扱う考え方です。施術前後写真が一律に禁止されていると解釈せず、加工の有無、撮影条件、説明文、ページ全体の印象を個別に確認する必要があります。
口コミについては、都合のよい感想だけを選んで強調していないか、謝礼等によって好意的な内容へ誘導していないかを確認します。
不安・緊急性・安さを過度に強調する予約導線
不安や緊急性、費用の安さを過度に強調する表示も避けます。症状説明だけでなく、残数表示、カウントダウン、初回価格の見せ方もあわせて確認します。
整骨院・接骨院と整体院では確認するルールが違う
整骨院・接骨院で柔道整復の業務を行うのは、国家資格を持つ柔道整復師です。一方、「整体」は国が定める統一の資格制度に基づく名称ではなく、施術者が持つ資格の種類や有無は院によって異なります。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師などの国家資格を持つ方が「整体」の名称で施術している場合もあれば、公的な資格に基づかない場合もあります。院名だけで判断せず、誰が、どの資格に基づき、どの施術を提供するのかをページ上で明確にすることが必要です。
厚生労働省のガイドラインには「無資格者の行為に関する広告について」という項目があり、その中で、「腰痛」「膝の痛み」といった痛み症状や、慢性の「肩こり・疲労」といった症状に対応する旨をうたう表現は、「治る」「効果がある」といった効果を明言していなくても、広告やウェブサイト等に掲載すべきでないとされています。
整体院のサイトでこうした症状名を前面に出した表現があった場合は、ガイドライン上望ましくないとされる表現に当たる可能性があります。
効果があると書いていなくても、症状名を挙げて対応をうたう表現自体が対象になり得る点に注意が必要です。整骨院・接骨院の柔道整復師に関する広告可能事項とは分けて考える必要があります。
併設院では、施術ページごとに担当者、保有資格、施術区分、保険適用の有無、自費料金を整理します。民間資格を国家資格のように見せない配慮も必要です。
ページ別|トップ・症状・料金・口コミ・予約導線の点検ポイント

公開前のページをスマートフォンで開き、広告やSNSから患者が実際にたどる順番に沿って点検します。
| ページ・箇所 | 主な点検内容 | 修正時の着眼点 |
|---|---|---|
| トップページ | No.1、最高、絶対、根本などの強い表現/業態・資格/初回価格 | 比較や保証ではなく、院の体制・受付時間・施術区分を事実で示す |
| 症状ページ | 診断と受け取られる表現/効果保証/不安を過度にあおる説明 | 対応内容と限界を整理し、必要な受診機会を妨げる表現を避ける |
| 施術ページ | 内容、担当者、対象、標準的な期間・回数、主なリスク等 | 長所だけでなく、判断に必要な情報を同じページ内で読めるようにする |
| 料金・回数券 | 通常必要な費用、追加費用、契約期間、解約・返金条件 | 安さだけを大きくせず、適用条件と総額を近くに表示する |
| 口コミ・事例 | 選定方法、謝礼の有無、効果保証に見える編集、写真の加工・撮影条件 | 都合のよい声だけの強調や、誤認を招く演出を避ける |
| 予約・問い合わせフォーム | 緊急性、残数、期間限定、初回価格、同意前の説明 | 患者さんを急がせず、条件を確認して予約できる導線にする |
| 広告・SNSの遷移先 | 広告文とページ内容の整合/広告からしか見えないLP | 広告、画像、プロフィール、リンク先を一体で点検する |
| フッター・運営者情報 | 問い合わせ先、所在地、運営主体、資格表記、更新日 | 連絡先を見つけやすくし、古い情報を残さない |
制作・改修費も検討している場合は、料金・サービス内容も確認すると、改修の優先順位を整理しやすくなります。
広告規制への配慮と集客を両立する修正手順
広告表現を見直すとき、強い表現を削るだけでは、院の特徴や施術内容まで伝わりにくくなることがあります。利用者の保護を前提に、削るだけでなく、根拠と必要情報を補って修正します。
公開中の画面をURL単位で一覧化する
原稿データだけでなく、患者が実際に見る公開画面を確認します。トップページ、症状ページ、料金ページ、口コミ、予約フォームに加え、広告やSNSの投稿文、画像、プロフィール、リンク先も一覧にします。同じ表現を複数ページで使っている場合は、修正漏れを防ぐためにURLと該当箇所を記録します。
利用者への影響が大きい箇所から確認する
効果や安全性の保証、根拠を示せない比較、不安を過度にあおる表現を確認し、次に料金・契約条件、資格・施術主体、広告とリンク先の整合を見直します。制作会社だけで法的な判断をせず、判断が分かれる内容は管轄窓口や専門家へ確認します。
表現を削るだけでなく、判断に必要な情報を補う
「必ず改善」のような表現を削除して終わりにするのではなく、誰が、どのような施術を、どの条件で提供するのかを具体的に示します。自費施術では、通常必要な費用、契約内容、主なリスク等も同じ導線で確認できるようにします。必要な情報を具体的に示せば、検索から訪れた人も自分に合う院か判断しやすくなります。
公開後も根拠と更新日を管理する
料金、受付時間、施術メニュー、資格者、キャンペーン条件が変わったときは、関連ページと広告・SNSをまとめて更新します。参照した公式資料、表示の根拠、確認日を社内で残し、制度変更時や定期点検時に見直せる状態にしておくと、古い情報の放置を防げます。
判断に迷う表現はどこへ相談する?
個別の広告表現は、媒体、流入経路、施術主体、資格、表示全体によって判断が変わります。個別の表示について迷った場合は、まず施術所所在地を管轄する自治体や保健所の担当部署へ確認します。契約表示や法的判断を含む場合は、必要に応じて弁護士などの専門家へ相談してください。
制作会社は、表現を洗い出し、根拠や条件が不足している箇所を整理できます。ただし、個別の表現が適法かどうかを保証する立場ではありません。当社のサイト診断では、デザインと信頼感、予約導線、表示速度、スマホ最適化の改善点を整理します。具体的な対応範囲は、お申し込み前にご確認ください。
公開前チェックリスト
- 通常サイト、広告、SNS、有料掲載のどこから閲覧されるかを確認した
- 広告文・画像・プロフィールとリンク先を一体で読み直した
- 「絶対」「必ず」「No.1」「最高」など、保証・比較に見える表現を確認した
- 数字、受賞歴、満足度、口コミ順位に根拠と表示条件があるか確認した
- 施術前後写真の加工、撮影条件、説明文を確認した
- 口コミ・体験談を恣意的に選び、効果を強調していないか確認した
- 自費施術の内容、通常必要な費用、標準的な期間・回数、主なリスク等を示した
- 回数券等の内容、総額、契約期間、解約・返金条件を分かりやすく示した
- 整骨院・接骨院と整体院の施術主体、資格、料金を分けた
- 初回価格や期間限定の適用条件を、強調表示の近くに置いた
- 不安や緊急性を過度にあおる症状説明や予約導線を避けた
- 問い合わせ先、運営主体、所在地、更新日を確認した
- 判断が分かれる表現を管轄自治体・保健所または専門家へ確認した
広告規制に配慮しながら院の特徴を伝える
検索して自らたどり着く通常のホームページは、あはき師法・柔道整復師法上の広告には原則として当たりません。
一方、広告やSNSとのつながり方によって扱いは変わり、通常のサイトにも景品表示法など別の法令が関係する可能性があります。「ホームページは全面的に広告規制の対象」「通常サイトなら自由」と単純化せず、媒体、表示内容、流入経路を分けて確認します。
施術内容、担当者、資格、費用、契約条件、主なリスク等を具体的に示すことは、規制への配慮だけでなく、患者が納得して予約するための情報設計にもつながります。
デザインや予約導線、表示速度、スマホ対応を含めてホームページを見直したい方は、当社の「HP改修・サイト診断」をご覧ください。サイト全体の改善点と優先順位を整理します。なお、個別表現の法的判断はサービスの対象外です。対応範囲は、お申し込み前にご確認ください。
FAQ
よくある質問
整体院・整骨院のホームページと広告規制について、よくいただく質問にお答えします。
整体院・整骨院のホームページは広告規制の対象ですか?
利用者が自ら検索して閲覧する通常のホームページは、あはき師法・柔道整復師法上の広告には原則として該当しないと整理されています。ただし、広告やSNSと一体になったページが3要件をすべて満たす場合は広告として扱われることがあり、通常サイトにも景品表示法などが関係する可能性があります。
「治る」を「改善が期待できる」に変えれば問題ありませんか?
言い換えだけで適法性を保証することはできません。施術内容、対象、根拠、条件、ページ全体の印象によって判断が変わるためです。結果を保証しているように受け取られないかを確認し、迷う場合は管轄自治体・保健所や専門家へ相談してください。
整体院・整骨院のホームページに口コミを載せてもよいですか?
口コミを掲載できるかどうかは、一律には判断できません。院に都合のよい感想だけを意図的に選んで強調していないか、謝礼等で好意的な内容へ誘導していないか、効果保証のように見せていないかを確認します。ランキングや「口コミ1位」といった比較優良表現にも注意が必要です。
施術前後の写真はすべて掲載できませんか?
施術前後の写真がすべて禁止されているとは断定できません。ガイドラインでは、効果があるように加工・修正した写真を虚偽の内容として扱い、撮影条件や被写体の状態を変えて効果を強調する写真を誇大な内容として扱う考え方が示されています。加工の有無、撮影条件、説明文、表示全体を個別に確認してください。
整体院にも同じガイドラインがそのまま適用されますか?
そのまま適用されるとは限りません。整骨院・接骨院で柔道整復の業務を行うのは、国家資格を持つ柔道整復師です。一方、整体には、法令上の資格制度に基づく名称ではないサービスも含まれます。ただし、整体等の無資格者による広告についても、同ガイドラインには「無資格者の行為に関する広告について」という別項目があり、症状名を挙げて対応をうたう表現などは同様に望ましくないとされています。併設院では、施術ごとに担当者、資格、施術区分を分けて表示し、個別の適用関係は管轄窓口や専門家へ確認してください。
参照資料・執筆情報
- 制度・広告表現の確認基準:厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン」(2025年2月18日公表) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001412674.pdf
- ガイドラインの概要確認:厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドラインの概要」 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001412682.pdf
- 優良誤認の確認:消費者庁「優良誤認とは」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation/
- 有利誤認の確認:消費者庁「有利誤認とは」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/advantageous_misidentification
免責事項
この記事は、2025年2月18日公表の厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン」と消費者庁の公開資料をもとに、一般的な確認ポイントを整理したものです。個別の広告やウェブサイトの適法性、行政機関の判断を保証するものではありません。
実際の判断は、媒体、表示全体、流入経路、施術主体、資格、契約内容などによって異なります。公開・出稿前に、施術所所在地を管轄する自治体・保健所へ確認し、必要に応じて弁護士などの専門家へご相談ください。制度やガイドラインが改定される場合もあるため、最新の公式情報もご確認ください。
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