整体院・整骨院のLPをAIで作成|任せてよい作業と、載せられない表現

ChatGPTやGeminiなどの生成AIに「整骨院のLPを作って」と頼むと、見出しから「患者様の声」まで並んだ原稿が出てきます。LPをAIで作成できれば、外注費を抑えられます。
ただし、その原稿をそのまま載せられるとは限りません。AIは世の中に多いLPの書き方を手がかりに文章を作るため、「必ず改善」「満足度〇%」のような、整体院・整骨院では載せられない表現が混ざります。
任せてよい作業と、院が自分で確かめる作業を分ければ、AIの速さを生かしたまま、載せられない表現を避けられます。LPを広告の着地先にする場合は、あはき・柔整広告ガイドラインの規制がリンク先のページにも及ぶ可能性があります。
整体院・整骨院のLPをAIで作成するとき、任せてよいのは下書きまで
整体院・整骨院のLPをAIで作成するとは、構成案や見出しの下書きを生成AIに出させ、料金・資格・写真・患者の声といった事実と広告の表現を、院が確かめて仕上げることです。

AIに任せる作業と、院が決める作業
AIが得意なのは、渡された材料を文章の形に整えることです。構成案、見出し案、FAQの案、長い文章の言い換えは、AIに任せると速く進みます。一方で、料金や営業時間、資格といった院の事実は、AIが知らないまま、もっともらしく補って書いてしまいます。
| 作業 | AIに任せてよいか | 院が確かめること |
|---|---|---|
| 構成案(どの順に何を載せるか) | 任せてよい | 院の事実に合わない項目が入っていないか |
| 見出し・キャッチコピーの案 | 案を出させるのは可 | 効果の言い切りや最上級表現が入っていないか |
| FAQの質問と回答の案 | 案を出させるのは可 | 保険の範囲、料金、施術のリスクの書き方が事実のとおりか |
| 長い文章の言い換え・短縮 | 任せてよい | 意味が変わっていないか |
| 料金・施術時間・営業時間・資格 | 院が書く | AIに書かせず、院が決めた事実を渡す |
| 患者の声・実績の数字 | 作らせない | 実在し、証明できるものだけを載せる |
| 施術前後の写真・スタッフの写真 | 実際の写真の代わりにはしない | 施術前後とスタッフは、実際に撮影した写真を使う |
AIの文章は、事実でなくても自然に読める
Googleの公式ドキュメントは、生成AIのモデルが事実を取り出すのではなく、学習データをもとに可能性の高い単語の並びを予測する仕組みだと説明しています。出力に不正確な内容が含まれることがあるため、公開前に手動で事実を確認するよう促しています。
同じドキュメントは、AIで作ったコンテンツそのものを禁じてはいません。検索の基本事項とスパムに関するポリシーを満たしていれば使えるという立場です。確認の対象は本文だけでなく、検索結果に出るタイトルやメタディスクリプション、画像のaltも含まれます。
出典:ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス(Google 検索セントラル)
AIの下書きに混ざりやすい、整体院・整骨院では載せられない4つの表現
あはき・柔整広告ガイドライン(令和7年2月18日・厚生労働省)は、ホームページなどのウェブサイト等を、原則として広告には当たらないとしています。ただし、広告に当たらないウェブサイト等についても、掲載すべきでない事項を示しています。AIの下書きには、この掲載すべきでない事項に当たる表現が混ざることがあります。


広告の着地先にしたLPがどこまで規制されるかは、整体院・整骨院のLPとホームページの違い|広告に出すなら規制がかかるで扱っています。
「治ります」「改善率」「満足度」といった効果と数字
ガイドラインは、「治ります」「根本治療」「改善率〇%以上」「〇%の人が効果を実感」「顧客満足度No.1」といった表現を、掲載すべきでない例に挙げています。
AIには、院の実績データが渡されていません。それでもLPらしい内容を求められると、AIはそれらしい数字を作って書きます。「満足度〇%」と出てきたら、その数字を院の記録で証明できるかを確かめます。証明できなければ削ります。
実在しない「患者様の声」
AIに「患者様の声を入れて」と頼むと、年代、症状、感想までそろった体験談が出てきます。これは実在しない人の感想です。事実に相違する内容として、掲載すべきでない事項に当たります。
実在する患者の声であっても、施術所に都合のよい感想だけを選んで強調することや、謝礼を渡して感想が出るよう誘導することは、ガイドラインが掲載すべきでないとしています。広告として扱われるLPでは、体験談そのものが広告できる事項に含まれません。
AIで作った施術前後の写真と、実在しないスタッフの写真
ガイドラインは、効果があるように見せるため加工・修正した施術前後の写真を、虚偽の内容に当たるとしています。撮影条件や被写体の状態を変えた写真も、誇大なものとして扱うべきだとしています。
画像生成AIで作った施術前後の写真は、実在しない人の体を実在のように見せるものです。ガイドラインは、AIで作った画像に直接触れてはいません。ただ、加工した写真が虚偽の内容とされていることを考えると、施術の結果を示す写真には、実際に撮影したものを使うほうが確かです。AIで作った画像を使うなら、院内の雰囲気を伝えるイメージ画像のように、実際の患者や施術の結果と受け取られない使い方にします。
スタッフ紹介も同じです。ガイドラインは、実際には新人の施術者が施術するのに「出張施術はすべて院長が施術します」と表示することを、虚偽広告の例に挙げています。AIで作った人物写真を院長やスタッフとして載せると、実際の担当者と違う人を示すことになり、同じ誤認につながります。
「地域No.1」「厚生労働省認可」といった権威づけ
AIは、信頼感を高めるために、「厚生労働省認可」「県知事許可済み」「地域No.1」といった言葉を付け加えることがあります。
ガイドラインは、「都道府県知事の許可取得済み」「厚生労働省認可施術所」という表示を、虚偽広告の例に挙げています。施術所に必要なのは届出であり、許可や認可ではないためです。「日本一」「No.1」「全国優良〇〇院」のように、他の施術所と比べて優れていると示す表現も、仮に事実であっても掲載すべきでないとしています。
確認が必要な言葉と掲載事項の一覧は、整体院・整骨院のホームページで確認したい7項目|広告規制と情報掲載の注意点で扱っています。
出典:あはき・柔整広告ガイドライン(厚生労働省・令和7年2月18日)
AIに入力してよい情報は、すでに公開している院の情報まで
AIサービスに入力した内容は、サービスによっては機械学習に使われることがあります。個人情報保護委員会は、本人の同意を得ずに、個人データを含むプロンプトを生成AIサービスへ入力することに注意を促しています。その個人データが応答結果の出力以外の目的で扱われる場合は、個人情報保護法の規定に違反する可能性があります。入力する前に、サービスを提供する事業者が個人データを機械学習に利用しないことなどを十分に確認するよう求めています。
整体院・整骨院では、患者の症状や通院の経緯が、氏名などと結び付いたかたちで入力されることを避けます。個人情報保護法は、病歴が含まれる個人情報を要配慮個人情報と定めているためです。
| 情報 | 入力 | 理由 |
|---|---|---|
| 院名・所在地・営業時間・休診日 | 入力してよい | すでにホームページなどで公開している |
| メニュー名・料金・施術時間 | 入力してよい | 公開している内容。AIに考えさせず、院が決めた内容を渡す |
| 想定する患者像(年代・悩みの傾向) | 入力してよい | 特定の個人が分からない形にする |
| 患者の氏名・症状・通院歴・問診票・カルテ | 入力しない | 要配慮個人情報を含むことがあり、同意なしに入力して出力以外の目的で扱われると違反の可能性がある |
| 患者の顔や体が写った写真 | 入力しない | 個人を識別できる |
| 公開していない売上・契約の内容 | 入力しない | 利用規約で学習への利用を確認できるまで入力しない |
実在する患者の声をLPの材料にしたいときも、AIに入力する前に、本人の同意と、前の章の線引きを確かめます。
出典:生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について(個人情報保護委員会・令和5年6月2日)、個人情報の保護に関する法律第2条第3項(e-Gov法令検索)
AIにLPの下書きを作らせる手順は、院の事実を先に書き出すところから始まる
院の事実を先に書き出す
AIに「整骨院のLPを作って」とだけ頼むと、足りない情報を、AIが一般的な内容で補います。院の事実を先に書き出して渡すと、補われる部分が減ります。

| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 対象のメニュー | 〇〇(メニュー名)。1枚のLPで予約につなげるのは1メニューに絞る |
| 想定する患者 | 年代と悩みの傾向(個人が特定されない範囲) |
| 施術の流れと所要時間 | 受付、問診、施術、会計の順と、それぞれの所要時間 |
| 料金 | メニューごとの金額。保険と自費の別 |
| 保険の扱い | 保険が使える範囲と、使えない範囲 |
| 施術者の資格 | 国家資格か民間資格かを区別した正式名称 |
| 営業時間・休診日・所在地 | ホームページと同じ表記 |
| 予約の方法 | 電話、LINE、予約フォーム |
保険と自費の書き分けは、整体院・整骨院の料金表|ホームページに載せるときの保険と自費の書き分けで扱っています。
守るルールを書いたプロンプトで、構成案を出させる
AIへの指示文であるプロンプトには、役割、目的、渡す情報、守るルール、出力の形を分けて書きます。守るルールに、渡した事実以外を書かせない指示と、載せられない表現の指示を入れておくと、混ざる量が減ります。
- 役割:整体院・整骨院のLPの構成案を作る編集者
- 目的:〇〇(メニュー名)の予約につなげる、1枚のLPの構成案を作る
- 渡す情報:下に貼る「院の事実」の表だけを使う
- 守るルール:渡していない数字、実績、患者の声、資格、受賞は書かない。「治る」「改善率」「No.1」「満足度」「〇%」は使わない。分からない項目は「要確認」と書く
- 出力の形:セクション名、そのセクションで答える患者の不安、書く内容の3列の表
ルールを書いても、守られるとは限りません。AIは言葉の並びから文章を作るため、指示と違う表現が出ることがあります。出てきた原稿は、必ず院が読んで点検します。
ファーストビューの見出しは、AIの案を見てから、院が自分の言葉で決めます。効果や専門性を言い切る表現が入りやすい場所だからです。LPに並べる要素の順番は、整体院・整骨院のLPとホームページの違い|広告に出すなら規制がかかるで扱っています。
出てきた原稿を、載せられない言葉の一覧で点検する
原稿ができたら、文章を読む前に、次の言葉を検索機能で探します。見つかった箇所は、削るか、事実に置き換えます。ガイドラインの例示と、それに近い言い回しを集めた一覧で、すべてを網羅するものではありません。
- 効果の言い切り:治る、治ります、改善、解決、根本、自信があります
- 数字:〇%、満足度、改善率、実績〇名
- 最上級・比較:No.1、日本一、最高、口コミ1位
- 権威づけ:認可、許可、認定、受賞、掲載
- 声と写真:患者様の声、お客様の声、ビフォーアフター、施術前、施術後
一覧に当てはまらなくても、効果を強く印象づける文は残ります。最後は前後の文脈ごと読んで判断します。判断が分かれる表現は、所轄の保健所にご確認ください。
AIで地域名と症状名を差し替えたLPを何枚も作ると、確認の手間もリスクも増える
Googleは、価値を加えない大量生成を不正使用としている
Googleのスパムに関するポリシーには、大量生成されたコンテンツの不正使用という項目があります。生成AIツールなどを使い、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成することが、その例に挙がっています。
「〇〇市 腰痛」「△△市 肩こり」のように、地名と症状名だけを入れ替えたページを量産しても、読む人にとっての価値は増えません。この例に当たるおそれがあります。AIを使うこと自体ではなく、価値を加えているかどうかが分かれ目です。
出典:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー(Google 検索セントラル)
広告の着地先にするLPは、1枚ごとに表現を確かめる
リスティング広告などを入り口として閲覧するウェブサイト等は、広告と一体のものとして、規制の対象になる可能性があります。LPの枚数が増えれば、確かめる表現の量も同じだけ増えます。
AIで作れる枚数と、院が責任を持って確かめられる枚数は別です。広告の着地先は、確かめられる枚数から始めます。リンク先の扱いは、整体院・整骨院のWeb広告|リスティングでホームページも規制対象にで扱っています。
公開後の改善は、数字をAIに読ませ、変えるのは1回に1か所にする
アクセス数、予約ボタンのクリック数、予約の件数は、患者個人が特定されない集計値です。月ごとに表にまとめ、LPを変更した日と並べてAIに渡します。「数字が動いた原因の仮説を3つ」「見出しの案を3つ」と頼むと、改善案の下書きが出ます。
2つの案を同時に出して比べるA/Bテストは、アクセスが少ない院では、差が出ても偶然かどうかを判断しにくくなります。見出しやボタンの文言など、変えるのは1回に1か所にして、変えた日を記録します。変更の前後で同じ長さの期間を取り、予約の件数を見比べます。
AIが出した改善案にも、効果を言い切る見出しや、根拠のない数字が入ります。案を採用するたびに、前の章の点検を繰り返します。
AIの下書きで進めるか、専門家の確認を入れるかは、広告に出すかどうかで分かれる
| 状況 | 進め方 |
|---|---|
| 広告を出さず、自費メニューの紹介ページとして置く | AIで下書きを作り、院が全文を点検する。判断が分かれる表現は所轄の保健所に確認する |
| リスティング広告やバナー広告の着地先にする | 広告と一体で規制対象になる可能性がある。下書きにAIを使ってもよいが、公開前に専門家か所轄の保健所の確認を入れる |
| 保険が使える範囲や、骨折・脱臼の扱いを載せる | AIに書かせず、院が事実を書く |
| 同じ型のLPを複数枚作る | 1枚ずつ確かめられる体制ができてから増やす |
制作会社に任せる場合の依頼先の見極めは、整体院・整骨院のホームページ相談・外注先の選び方|コンサルに頼む前に確認すべきことで扱っています。
AIが検索結果の中で自院をどう紹介するかは、別の話です。整体院・整骨院のAI検索対策|クリックの前提と見る数字を見直すで扱っています。
FAQ
よくある質問
整体院・整骨院のLPとAIについて、よくいただく質問にお答えします。
整体院・整骨院のLPを、ChatGPTやGeminiなどの生成AIだけで作っても問題ありませんか?
AIを使うこと自体を禁じる定めは、広告ガイドラインにもGoogleの方針にもありません。問題になるのは、できあがった文章や画像の中身です。効果の言い切りや、実在しない患者の声、誤った料金や資格が残ったまま公開すると、利用者を誤認させるおそれがあります。AIは下書きにとどめ、公開前に院が全文を読んで事実を確かめてください。
AIに患者の声を作ってもらい、LPに載せてもよいですか?
載せられません。AIが作る声は実在しない人の感想で、事実と異なる内容になります。実在する患者の声でも、院に都合のよい感想だけを選ぶことや、謝礼と引き換えに書いてもらうことは、ガイドラインが掲載すべきでないとしています。声を載せたい場合は、広告ガイドライン上の扱いを確かめてから判断してください。
AIで作ったLPは、検索結果で不利になりますか?
Googleは、AIを使ったことだけを理由にポリシー違反とはしていません。判断の基準は、検索の基本事項とスパムに関するポリシーを満たしているかどうかです。ユーザーにとっての価値を加えないまま、地名や症状名を入れ替えたページを大量に作る使い方は、不正使用の例として挙げられています。
AIに患者の症状や問診票の内容を入力してもよいですか?
入力は避けてください。氏名などと結び付いた症状や通院の経緯は、個人情報保護法でいう要配慮個人情報に当たることがあります。個人情報保護委員会は、同意なく個人データを生成AIサービスへ入力すると、法の規定に違反する可能性があると注意喚起しています。AIに渡すのは、すでに公開している院の情報と、個人が特定されない患者像にとどめてください。
AIでLPを作れば、制作会社に頼まなくても広告に出せますか?
LPを作ることはできますが、広告に出せるかどうかは別の問題です。リスティング広告などの着地先にしたLPは、広告と一体のものとして規制の対象になる可能性があり、柔道整復師法が定める広告できる事項の範囲が関わります。規制の考え方は、整体院・整骨院のLPとホームページの違い|広告に出すなら規制がかかるで扱っています。個別の判断は所轄の保健所にご確認ください。
LPをAIで作るときの線引きは、任せる作業と院が決める作業を分けること
AIは、構成案、見出し、FAQの案を速く出します。一方で、料金、資格、患者の声、写真といった院の事実は、AIが知らないまま補って書きます。整体院・整骨院のLPでは、任せる作業と院が決める作業を分けておくことが、AIを使う前提になります。
載せられない表現は、効果と数字、患者の声、写真、権威づけの4つに集まります。AIに入力する情報は、すでに公開している院の情報までにとどめます。広告の着地先にするLPは、枚数が増えるほど確かめる量も増えるため、確かめられる枚数から始めます。
最初に確かめるのは、手元のLPの原稿に「治る」「満足度」「患者様の声」が入っていないかを、検索機能で探すことです。
整体院・整骨院のLPとAI活用でお悩みなら
まずはお気軽にご相談ください
AIで作った下書きの扱い方から、広告ガイドラインを踏まえた掲載内容の判断、広告の着地先にするLPの設計まで、中小企業診断士が貴院の状況や目標を伺い、何から手をつけるべきかをはっきりさせます。
ご相談内容を確認後、担当者よりご連絡します。