整体院・整骨院のコンサル活用メリット|中小企業診断士が関わる強みと向かないケース

整体院の院長が、院内で中小企業診断士と経営資料を確認している様子

整体院・整骨院を経営していると、経営相談やコンサルティングという選択肢が目に入る場面が増えてきます。ただし、費用だけを確認しても、実際に依頼する価値があるのかどうかは判断がつきません。

整体院・整骨院がコンサルに相談すると、外部の目で課題を洗い出せるだけでなく、中小企業診断士が関わる場合には経営数値を読む視点も加わります。国家資格が結果を保証するわけではありませんが、相談先を選ぶ材料にはなります。

誰に、どのような形で依頼するかという選び方は、別の記事で扱っています。相談することにどんな意味があるのかを知ってから、選び方を検討すると判断しやすくなります。

目次

整体院・整骨院のコンサル活用メリットとして得られる主な効果

整体院・整骨院がコンサルに相談して得られる3つのメリットを示した図。外部の目で課題を洗い出せる、施策に優先順位をつけられる、検討にかかる時間を減らせる
外部の目で課題を洗い出し、施策に優先順位をつけ、検討にかかる時間を減らせます。

自院だけでは気づきにくい課題を、外部の目で洗い出せる

整体院・整骨院を運営していると、日々の施術対応に追われ、料金設定や予約の導線、スタッフの動き方といった経営面の課題には気づきにくくなります。第三者の視点が入ることで、院長自身が当たり前だと思っていた運営のやり方に、改善の余地が見つかることがあります。

院内にいる人間だけで話し合っても、前提を共有しているぶん、同じ発想の範囲にとどまりがちです。外部のコンサルは、他院の事例や経営の一般的な考え方と照らし合わせながら、課題を言葉にする役割を担います。

たとえば、料金表の見せ方や、初回に案内する説明の順番、キャンセル時の対応といった、院長にとっては長年の運用として定着している部分ほど、見直しの対象から外れがちです。外部の立場から改めて確認することで、患者側の受け取り方とのずれに気づける場合があります。

集客・経営改善の施策に優先順位をつけられる

ホームページの改善、SNSの運用、広告の出稿、メニュー構成の見直しなど、整体院・整骨院が取り組める施策は数多くあります。すべてを同時に進める人手も時間もない中小規模の院では、どれから着手するかを決める材料として、コンサルの助言が役立ちます。

施策の数だけを増やしても、実行する人手が追いつかなければ、途中で止まってしまいます。限られたスタッフの人数と時間を踏まえたうえで、どの施策から手をつけるかを一緒に検討できる点は、自院だけで進める場合との違いです。

開業して間もない院と、長く運営している院とでは、優先すべき施策も変わってきます。開業直後であればホームページや予約導線の整備が先に来ることが多く、運営が安定している院であれば、既存患者の来院頻度を保つ施策が先に来ることもあります。院の状況によって優先順位の付け方が変わる点を踏まえて助言を受けられることは、自己判断だけで進める場合には得にくい部分です。

自己流で対応するより、検討にかかる時間を減らせる

経営やホームページ集客について知識がない状態から自分で調べて判断すると、情報を集めるだけでも時間がかかります。コンサルに相談すれば、必要な検討にかかる時間を短縮できることがあります。

ただし、相談したからといって、施術の合間に確保できる時間そのものが増えるわけではありません。検討の負担が軽くなる部分と、院長自身が動く必要がある部分は、相談を始める前に切り分けておく必要があります。

中小企業診断士が関わるコンサルに相談するメリット

経営数値を読む視点が入る(財務・売上データにもとづく助言)

中小企業診断士は、経営診断の一環として損益計算書や売上データを読み解く訓練を受けています。感覚や経験だけに頼らず、数値の裏付けを持って助言を受けられる点は、この専門性が関わる場合の特徴です。整体院・整骨院の経営が厳しくなる要因を数字から確認する視点は、整体院・整骨院の経営が厳しい理由|黒字の院との差と、自院の数字の見方で扱っています。

一般的な集客の助言だけでなく、その施策が売上や利益にどう結びつくのかを数字で確認しながら進められる点は、中小企業診断士が関わる場合ならではの視点です。人件費率や自己資本比率といった指標を踏まえて、自院の経営状態のどこに手を打つべきかを判断する材料にできます。

事業計画・資金調達の相談とWeb集客の相談をまとめて進められる

開業や増床にあたって事業計画を作る場面では、資金調達の相談とホームページ集客の相談を、別々の相手に持ちかける必要が生じがちです。中小企業診断士が関わるコンサルであれば、事業計画書の書き方の相談とWeb集客の相談を、同じ相手にまとめて相談できます。事業計画書の項目ごとの書き方は、整体院・整骨院の事業計画書|公庫の書式10項目の書き方と記入例で扱っています。

相手が変わるたびに院の状況を一から説明し直す手間がなくなる点も、資金調達とWeb集客をまとめて相談できる利点です。開業後にホームページへ投資する時期や金額も、事業計画全体の資金繰りと切り離さずに検討できます。

中小企業診断士が関わる場合の流れを示した図。経営の数字を読み、事業計画と資金繰りを組み、Web集客への投資を決める
経営の数字を読み、事業計画と資金繰りを組んだうえで、ホームページにかける金額と時期を決めます。

国家資格としての裏付けがある

中小企業診断士は経済産業省が所管する国家資格で、経営戦略や財務、マーケティング、組織運営など、経営全般にわたる一定水準の知識を持っていることの裏付けになります。整体院・整骨院に特化した資格ではなく、業種を問わず経営全般を扱う資格である点も踏まえておく必要があります。

ただし、資格を持っていることが、集客や売上の向上を保証するものではありません。資格の有無は、相談先の知識の幅を判断する材料の一つであって、結果を約束するものではない、という前提で捉えておくことになります。

コンサルへの相談で得にくいこと・向かないケース

短期間での結果を求める場合には向かないことがある

コンサルへの相談は、施策を実行してから効果を確認するまでに一定の期間がかかります。来月の売上をすぐに伸ばしたい場合には、コンサルへの相談よりも先に、今すぐ着手できる対応を優先することになります。

現状分析、施策の検討、実行、効果の確認という流れを踏むため、相談を始めてから結果が見えるまでには数か月単位の時間がかかることも珍しくありません。すぐに数字を動かしたい事情がある場合は、その時間を見込んだうえで相談するかどうかを判断します。

施術そのものの技術指導は対象外

整体院・整骨院向けのコンサルは、経営や集客の相談を担う立場であり、施術そのものの技術指導は対象外です。施術を担当するのは院の資格を持つスタッフであり、コンサルの中小企業診断士は経営面の相談を担当します。診断士が施術内容を指導するものではない点は、事前に確認しておく必要があります。

受付での案内の仕方や、患者からの問い合わせへの対応、メニュー表の作り方といった、施術以外の運営面であれば相談の範囲に含まれます。どこまでが相談の対象で、どこからが対象外なのかは、依頼する前の段階で確認しておく必要があります。

費用は契約期間・成果報酬の有無によって幅があり、一概には言えない

コンサルの費用は、単発の相談か継続的な契約かによって変わり、成果報酬を組み合わせるかどうかによっても、費用は変わります。院ごとに依頼する内容が異なるため、費用については一概には言えず、相談する際に見積もりの内訳を確認することになります。

施策の実行まで担うのか、助言だけにとどまるのかによっても、依頼する範囲と費用の考え方は変わってきます。契約を結ぶ前に、どこまでを実行支援として依頼し、どこからを自院で対応するのかを分けて考えておくと、見積もりの内訳も確認しやすくなります。

整体院・整骨院のコンサルへの相談が向いている場合と向かない場合を比べた表。向いているのは課題の洗い出し、施策の優先順位、事業計画とWeb集客をまとめて考えたい場合。向かないのは来月の売上をすぐに伸ばしたい、施術の技術指導を受けたい、結果の保証を求めている場合
短期間での結果や施術の技術指導を求める場合は、コンサルへの相談は向きません。

整体院・整骨院のコンサルとどう付き合うか

整体院・整骨院がコンサルに相談するかどうかは、費用だけで決めるものではありません。自院の課題が外部の目を必要とする段階にあるか、そして中小企業診断士が関わる相談から得られる視点が自院に必要かどうかを、まず見極める必要があります。

コンサルに相談する意味が見えてきたら、次に検討することになるのが、誰に依頼するかです。コンサルと制作会社の違いや、依頼前に準備しておくことは、整体院・整骨院のホームページ相談・外注先の選び方|コンサルに頼む前に確認すべきことで扱っています。

開業を控えている場合は、資格の線引きや開業資金についても合わせて検討しておきます。整体院・整骨院の開業|資格の線引きと開業資金、補助金が使えない理由では、その考え方を扱っています。

すでに開業していて、経営の数字に不安がある場合は、自院の状況を確認するところから始めることになります。整体院・整骨院の経営が厳しい理由|黒字の院との差と、自院の数字の見方では、黒字の院との差を数字で見る視点を扱っています。

FAQ

よくある質問

整体院・整骨院のコンサル活用メリットについて、よくいただく質問にお答えします。

コンサルに相談すると、必ず集客が増えますか?

相談したことで必ず集客が増えると約束できるものではありません。外部の視点が入ることで課題に気づきやすくなり、施策の優先順位をつけやすくなる、という点が主な効果です。効果が出るまでには一定の期間がかかることも珍しくありません。

中小企業診断士は具体的に何をしてくれますか?

経営数値を読み解いたうえでの助言や、事業計画・資金調達の相談とWeb集客の相談をまとめて進める役割を担います。施術そのものの技術指導は対象外で、施術を担当するのは院の資格を持つスタッフであり、中小企業診断士は経営面の相談を担当します。

コンサルへの相談が向かないケースはありますか?

来月の売上をすぐに伸ばしたいなど、短期間での結果を求める場合には向かないことがあります。現状分析から効果の確認まで一定の期間がかかるため、すぐに数字を動かしたい事情がある場合は、その時間を見込んだうえで判断することになります。

コンサルの費用相場はどのくらいですか?

単発の相談か継続的な契約か、成果報酬を組み合わせるかどうかによって幅があり、院ごとに依頼する内容も異なるため、一概には言えません。契約前に見積もりの内訳を確認し、どこまでを実行支援として依頼するのかを分けて考えておくことが大切です。

整体院・整骨院のコンサルと制作会社は、何が違うのですか?

コンサルと制作会社の違い、依頼前に準備しておくことについては、整体院・整骨院のホームページ相談・外注先の選び方|コンサルに頼む前に確認すべきことで扱っています。

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